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お香とは2
引き続きテーマは『お香』ですが、内容は今回は『歴史』です。お香を、はるか昔そのまた昔の先人達がどのように用いてきたのか、そのあたりにふれてまいります。
なんと、さかのぼれば紀元前3000年前までその歴史はかなり古いようです。種類とその経過は
香木 →粉末→練物(薫物)
おおまかにわけるとこのような感じです。
『香木』は、そのままですね。切り取って木片に火をつけてお香を焚いたようでこれが一番古い形と思われます。
日本史がお好きな方はご存知でしょうが、織田信長が自身の権威の象徴として当時武士階級では数例しかなかった《蘭奢待きりとり》の蘭奢待も、この『香木』の状態で現在も正倉院に保管されているそうです。
『粉末』我々がお焼香や抹香がこれに類します。抹香は主に灰の上に型押しをして長時間燃焼させる《燃香》という用い方をします。浄土真宗でお線香を三本に折って寝かせて燃やすのは、型押しした抹香の型の名残でこれを起源としています。
『練物(薫物)』これは我々に身近なところですとお線香がそれにあたります。時代的にいうと江戸時代に中国から伝わり、粉末状のお香と貝殻の粉など様々なものと練り合わせて形になったそうです。《薫物 たきもの》とは、その当時からの日本での呼び名だそうです。
と、いうことは《香木》 《粉末》は、かなり古くから用いられているということですね。なんとも奥ゆかしい気持ちになりますね。
お線香は様々な用い方をされていて、代表的なものに《時間をはかる》役割があったそうです。
お坊さんの修行や吉原の遊女がお客の相手をする時間を、お線香一本が燃え尽きるのを基準にしていたという話もあるそうで、身分を問わず広く人々の生活に密着していた様子がわかります。
いかがでしょう?私もいろいろ調べていく中で新しい発見もありすごく刺激的な回になりました。